旋律に合う和音を見つける |
ある曲に伴奏をつけるときの手順は次のようになるでしょう。 |
1 その曲の調性を確認する。 (長調の曲か短調の曲か、さらに何調の曲かといったことを特定します。) |
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2 その調の主要三和音を確認する。 (Tの和音、Wの和音、Xの和音をそれぞれ確かめます。) (主要三和音だけでなく、関係調の和音も確認しておくとよいでしょう。使える和音の幅が広がります。) |
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3 それぞれのフレーズの音の構成を見て、どの和音にその音が含まれているか見きわめ、和音をあてはめる。 (その際、旋律を形づくる音のうち、どれが要になっているか、どれが無視しても良い非和声音かを見きわめる ことも大切な作業です。) |
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4 和音の流れが自然なものになっているかどうか実際に弾いて確かめ見直す。また、関係調などの他の調から 和音を借用して和声がスムーズになるかどうか、響きに変化を出せるかどうかなどについても確認します。 |
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5 あてはめた和音を使用して、伴奏のパターンを工夫して伴奏をつくってみる。 (分散和音にして弾いてみる、アルペジオにしてみる、リズム打ちにしてみる、などなどさまざまなパターンで 弾いてみて旋律に合うと思われる伴奏を工夫する。) ※音楽では『これが正解!』ということはありません。自分で納得できる『これだ!』と思えるものをつくったり 見つけ出したりしてみましょう。 |
◆上の「1〜5」の作業は、こう書いてしまうと大変に手数がかかるように見えますし、不動の順序のようにも 見えますが、慣れてくればそれが同時に行われていたり自然に見つかるのである手順を飛ばしたり、逆に 実際に弾いてみる中で違う進行が見つかるなど、決して一定のものではないことに気づかれるはずです。 ◆弾いてみたい曲、伴奏をつけたい曲の中には、もう既にコードネームがつけられているものもあるでしょう。 そこでは、上の「1〜4」の作業を飛び越して「5」の作業をすることになります。 それでも、「4」の作業をして新たな響きをつけてみる試みをされるとよいでしょう。 |
ここでは、次のような曲のそれぞれのフレーズに合う和音を見つけ、旋律に和音をあてはめていく作業について見てみましょう。 |
【調の特定】 | この曲は、調号が何も記されていませんので、「ハ調」かその平行調であることが予想されます。 さらに、ド(ハ調の主音)で始まり、ド(ハ調の主音)で終わっていますので、「ハ長調」であるということがわかります。 |
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【主要三和音】 | 長調の主要三和音は、それぞれ「主音(T)」、「下属音(W)」、「属音(X)」の上に三度で重ねられた和音ですので、 ○Tの和音(主和音) 〜ドミソ ○Wの和音(下属和音)〜ファラド ○Xの和音(属和音) 〜ソシレ であることは先に見たとおりです。 |
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【非和声音はあるか】 | ◆1小節目◆ | このフレーズは、「ド→ソ→ラ→ソ→ミ」という旋律です。下から「ド」「ミ」「ソ」「ラ」という4つの音で 構成されていますが、3番目に出現する「ラ」の音は、2番目の「ソ」から4番目の「ソ」につなぐための 飾りのような役目を持つ「経過音」と見ることができます。 たとえばこの旋律を「ドーソラソミ」と歌わずに「ドーソミ」と歌っても旋律のイメージを損なうことはない ことにお気づきでしょう。ということは、この旋律で支配的なのは「ドソミ」で、「ラ」の音はこのフレーズ では和声に大きな影響を持たない「非和声音」であるということができます。 そこで、1小節目には「ドミソの和音(Tの和音)」をあてはめて良さそうだという予想がつきます。 |
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◆2小節目◆ | このフレーズは、「ファ→ファミ」という旋律ですが、最後の「ミ」の音は次の小節の始まりの音「レ」 につなげるための経過音として働いていると見ることができるでしょう。 ですから、この小節で支配的なのは「ファ」の音と考えることができますので、「ファ」を含んだ和音 「ファラドの和音(Wの和音)」をあてはめればうまく響き合うことが予想されます。 |
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◆3小節目◆ | このフレーズは、「レーシラソレ」という旋律ですが、途中に出現する「ラ」の音も「シ」と「ソ」の間を つなぐ経過音と見ることができます。 ですからこの小節で大切な働きをしているのは、「レ→シ→ソ→レ」という4つの音の動きであること がわかります。 その4つ(実際はレソシの3つ)の音が含まれている和音と言えば「ソシレの和音(Xの和音)」しか ありませんので、この小節には「Xの和音」があてはまりそうです。 |
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◆4小節目◆ | このフレーズは、「ミ」の音だけで構成されています。主要三和音の中で「ミ」の音が含まれている のは、「ドミソ」の和音だけですので、とりあえずここでは「ドミソの和音(Tの和音)」を配置しておく ことにしましょう。 |
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◆5小節目◆ | このフレーズは、「ファミファレラシラ」という旋律ですが、前半の2拍分と後半の2拍分に分けて とらえることができます。 前半で支配的なのは「ファ→ファ」の動きで、間に挟まれた「ミ」の音はそれを飾る動きとして見る ことができますので、「ファ」の音に合う和音をあてはめれば良いだろうと予想されます。 そこで、この前半には「ファラドの和音(Wの和音)」を配置してみましょう。 さらに後半の旋律では、「レ→シ」が中心で裏打ちの拍に出現する「ラ」は、非和声音として見ること ができますので、「レ・シ」を含む和音「ソシレの和音(Xの和音)」をあてはめればうまく響きそう です。 |
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◆第6小節目◆ | このフレーズは、「ソ→ド」という2つの音で成り立っています。「ソ」も「ド」も含まれる主要三和音は、 「ドミソの和音(Tの和音)」ですので、ここには「Tの和音」を配置してみましょう。 |
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◆第7小節目◆ | この小節は、第5小節目と同様に前半の2拍と後半の2拍に分けてとらえることができます。 前半で支配的なのは、「ラ」ですし、後半で支配的なのは「ファ・レ」です。 そこで、前半には「ファ」を含んだ「ファラドの和音(Wの和音)」を、後半には「ファ・レ」を含んだ 「ソ・シ・レ・ファ(X7の和音)」を配置してみましょう。 |
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◆第8小節目◆ | この最後の小節は、「ド」の音だけが使われています。「ド」の含まれた和音は「Tの和音」と 「Wの和音」の2つですが、曲の最後は終止感を持って終わりたいものです。 そこで、主要三和音の中でもっとも安定した和音、終止感の強い和音である「ドミソの和音(Tの和音)」 を使うことにしましょう。 |
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【聴いて確認する】 | ここまで配置してきた和音の流れをまとめて聴いて確かめてみます。 | |||
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