◆ コードってなに? ◆

「コード(正しくはコード・ネーム)」は、和音を「A」とか「C」などのアルファベットで表した記号のことです。
下図のように、アルファベットが記された楽譜をご覧になったことがあるでしょう。
これらのアルファベットは、それぞれ和音を表していますが、これが「コード・ネーム」です。
和音を単純な記号で表すことができるので、ジャズやポップスでは便利に使われているのです。

コード・ネームは、音名をもとにして名付けられています。
たとえば、「C」の音の上に重ねられた長3和音を「CM(シー・メジャー)」、
「F」の音の上に重ねられた長3和音を「FM(エフ・メジャー)」と言った具合です。

ところで、三つの音を重ねてできる「三和音」には二つの種類があります。

一つ目の種類は下図左の例のように、
ベースとなる根音(例えば「Cメジャー」の和音では「C=ド」の音)と
二番目に重ねられた音(第三音と言います)の間の音の開きが「4半音分」あるものと
もう一つは、右図の例のように根音と第三音の間の開きが「3半音分」しかないものの二種類です。

そして一つ目の種類の和音を「長三和音」、二つ目を「短三和音」と呼んでいます。
◆和音を構成する音の名称◆
二番目に重ねられた音を「第三音」
と呼ぶのは、根音から数えて三番目
の音(三度上の音)になるからです。

例えば、「ミ」の音は「ド」から数えると
「ド→レ→ミ」と三番目ですし、
「ファ」の音も「レ」から数えると
「レ→ミ→ファ」と三番目の音なのです。

また、三番目に重ねられた音は、根音から
数えて5つ目の音なので、第五音と呼びます。
それを鍵盤や図で確かめてみましょう。
上の図にみるように、「ド」と「ミ」の間には「4半音分の開き」がありますし、「レ」と「ファ」の間には「3半音分」の開きしかありません。
「4半音分の開き」がある音の間隔(音程)を「長三度」、そして「3半音分の開き」しかない音程を「短三度」と呼びます。

このことから長三度をベースとした三つの音の重なりを「長三和音」、
短三度をベースとしたもう一方の音の重なりを「短三和音」と呼んでいるのです。

そして、「長三和音」にはアルファベットに大文字のMをつけてメジャー・コードと呼び、
「短三和音」には小文字のmをつけてマイナー・コードと呼んで区別しているのです。

それらを五線譜上に書き表してみると次の図のようになります。
メジャー・コード(長三和音)とマイナー・コード(短三和音)の違いは上にみるように、
長三度の重なりをベースとしているか短三度の重なりをベースとしているかの違いでしかありません。

ということは、メジャー・コードを簡単にマイナー・コードに、逆にマイナー・コードをメジャー・コードに変えることも
可能だということに気づきます。

それは次の図をご覧いただくと納得していただけるでしょう。
これで私たちはメジャー・コードとマイナー・コードを合わせて12の和音とその呼び名を手に入れたことになります。
それら12の和音を楽譜で表すと次のようになります。
それでは、メジャー・コードとマイナー・コードを聴いて
その響きの違いを確かめてみましょう。
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